「今すぐ、インスリン治療をはじめないと大変なことになりますよ。。。」
「インスリン治療をはじめるということは、注射による治療がはじまるということです。。。」
現在のところ、わが国の保険診療上、インスリン治療は注射療法しか、実施できません。
吸入療法もいいところまで行きましたが、わが国に導入されるまでにいたっていません。
のみ薬のインスリンも競って開発されていますが、まだ、難しい状況です。
誰もが嫌な注射療法をなぜ勧めるのか。
インスリン治療を勧めるのか、その根拠にふれてみたいと思います。
■インスリン依存状態(いぞんじょうたい)とは
インスリンが全然、たりなくて、生きていくのに、インスリン治療が必要な状況です。
インスリン依存状態では、インスリン治療は必須になります。
■インスリン依存状態の目安
空腹時血清CPR 0.6ng/ml未満
尿中CPR 20μg/日未満とされていいます。
現在は国際的には、血清CPRが基準となっています。
劇症1型糖尿病でのインスリン欠乏の基準では、
空腹時血清CPR 0.3ng/ml未満
尿中CPR 10μg/ml 未満となっていて、
劇症1型糖尿病ではさらに、高度のインスリンの欠乏状態となります。
注意しなくてはいけないのは、同時に測った血糖が万一、低血糖である場合は、インスリン分泌は抑制されるので、低血糖でないときの値を参考にします。
また、2型糖尿病での糖尿病ケトアシドーシスなどでは、CPRの値が基準をみたしていなくても、一過性にインスリン依存状態になっていることがあるので、総合的に判断することが必要です。
■ワンポイントアドバイス
インスリン依存状態であれば、ただちにインスリン注射を開始します。脱水となっている場合もあるので、水分の補充も必要になります。
血糖値をみながら、インスリン量を調節し、最適量を、患者さんと相談しながら、探していくことになります。