血糖値とは
■「血中のブドウ糖の濃度」を意味します(一般に)
■ 糖尿病のしんだん、治療を行う上で重要な検査
■すでに糖尿病とわかっている場合には、採血時に朝ごはんを抜かなくてもよいです。
血糖値の測定方法は
1)うでから、静脈(じょうみゃく)の採血を行い、医療機関の機械で測定する方法
2)ゆび先から、パッチンと細い針でついて、簡易測定を行う方法(SMBG)
に分けられます。
今まで、糖尿病と診断されたことがないかたで、糖尿病かどうかを診断するときには、1)静脈からの採血した血糖値の結果を重要視します。
空腹時血糖(くうふくじけっとう)
空腹といわれたら、「おなかのすいている時」ですよね。
でも空腹時血糖は、単におなかが、すいている時の血糖をさすわけではありません。
10時間以上絶食の後、早朝空腹のまま、採血した静脈血による血糖値をいいます。
空腹時血糖のはんい
110未満が正常
110-125未満を境界型
126以上を糖尿病型
正常域であっても、100から109mg/dlの場合には糖尿病に進展するリスクが高い場合があり、「正常高値」と表現されます。
随時血糖(ずいじけっとう)
食事と採血を問わずにはかった血糖値をいいます。
ただし、75gブドウ糖負荷試験の血糖は随時血糖とはいいません。
75グラムブドウ糖ふか試験(75gOGTT)とは
糖尿病か境界型か正常型か迷う方に行う検査です。
糖尿病とわかっている方には通常行いません。
■いつも通りの食事量で、前日の晩まで過ごしていただきます(150g以上の糖質をふくむ食事をとってください)
■絶食時間を10-14時間おいて、空腹のまま、行います。(前日の21時ころまで飲食はかまいません)
■午前9時ころの開始がよいとされています。
■空腹のまま、採血し、トレーランG(ブドウ糖が含まれた飲み物)を飲んで、30分後、60分後、1時間後、2時間後にも採血し、血糖値を測定します。
75グラムブドウ糖ふか試験(75gOGTT)の結果のみかた
糖尿病型
空腹時血糖値126以上、もしくは75gOGTTで2時間後の血糖値が200以上
正常型
空腹時血糖値が110未満、OGTT2時間後の血糖値が140未満です。
ただし、OGTT1時間後の血糖値が180を超える場合は、糖尿病の発症する危険が高いとされています。
境界型
糖尿病型にも正常型にも属さないものをさします。
75gOGTTの際には、同時にインスリン量をはかって、インスリン分泌(ぶんぴ)の状態を調べることもあります。
2)簡易血糖測定(血糖自己測定SMBG)
■血糖自己測定は患者さん自身が血糖値を測定し、観察します。
■血糖が上下する原因を理解して、調節し、血糖変動が少ない血糖コントロールを目指します。
血糖自己測定が必要となりうる患者さん
- インスリン治療中の患者さん
- GLP-1注射中の患者さん
- 妊娠を希望されている糖尿病婦人
- 妊娠糖尿病の患者さん
- があげられます。
血糖自己測定が役立つ場面
糖尿病のシックディ(胃腸炎などで、食事や水分が取れない状態)で、重症の高血糖を避けたい場合
低血糖の確認と予防
シフト勤務などをされていて、日によって、生活が不規則な患者さん
も考えられます。
ワンポイントアドバイス
糖尿病かどうか、まだ、わかっていない状況で、75gブドウ糖負荷試験をやる場合や、厳密に空腹時血糖を知りたい場合には、朝ごはんを食べる前の採血が重要になります。
糖尿病であることがわかっている場合には、来院いただくときに、朝ごはんを抜いてきていただく必要はありません。
糖尿病であることがわかっている場合には、血糖値は、治療効果の判定に用います。
食後の血糖がどこまで、コントロールされているかも重要な指標になります。
合併症予防の観点から、血糖値の目標の目安の一つとして、食前130未満、食後2時間180未満という値も示されています。
(文献:日本糖尿病学会編・著 2016-2017 糖尿病治療ガイド 改変)