「血糖コントロールが悪くなった(∥ ̄■ ̄∥)」
「糖尿病が良くなった\(^ ^)/」
などと糖尿病の治療状況を判定するのに用いるしひょうです。
「ヘモグロビン エーワンシー」
「エーワンシー」
「エイチビー エーワンシー」
など、いろんな読み方でよばれます。
糖尿病の診断や治療効果の判定につかうもので、見たことがあるかたも多いのではないでしょうか。
簡単に言えば、「赤血球の血色素(ヘモグロビン)にくっついている糖の割合」を示します。
血液中の糖が多い(高血糖)と、赤血球に糖がくっつきやすくなります。
いつも血糖が高い方は、HbA1cが高くなるのです。
正確に言いますと、
「HbA1cはヘモグロビンのベータ鎖N末端のバリンにグルコースが非酵素的化学反応で安定的に結合した糖化ヘモグロビン」と定義されています。
HbA1cは、骨髄で産生された赤血球が120日間体内で、機能している間に、高血糖にさらされた結果であり、過去1~2ヶ月の平均血糖値を示します。
食事、運動や、精神的条件下で、影響を受けにくいです。
HbA1cの弱点
急激な血糖変動があるような、劇症1型糖尿病の発症してすぐは、高血糖を反映せず、低めになります。
HbA1cは赤血球の寿命に影響します。
赤血球寿命が短いと糖にさらされる時間が減り、HbA1cは低めになります。
ある種の貧血、大量出血後、ゆけつ後などはHbA1cは低めになります。
高齢者や鉄けつぼう性貧血では造血能が低下し、赤血球寿命が延びた時、実際の平均血糖よりHbA1cは高めとなります。
HbA1cの値が信用できるか、上記のようにわからない場合があります。
その際は、血糖値やグリコアルブミンなど、他のしひょうを参考にします。
ワンポイントアドバイス
HbA1cに30を足して、熱に例えたら、わかりやすいです。
合併症予防のための目標値はHbA1c 7%未満(37度未満)です。
血糖正常化を目指す目標値はHbA1c 6%未満(36度未満)です。
いずれにせよ、低血糖を起こさないようにしながら、目指します。
HbA1cが、1か月で1%低下しますと順調と考えられます。
長期に血糖コントロールが悪く、合併症が進んでいる場合には、
1か月でHbA1cは0.5%の低下を目指すこともあります。