ゆっくり食べるとHbA1c(ヘモグロビンA1c)が下がるって本当?

皆さんは普段、食事にどれくらい時間をかけていますか?
「ゆっくりよくかんで食べましょう」ってよく言われるけど、そんなに血糖値に影響があるの?って思っている方必見!今回は、なぜゆっくり食べることが大事なのかお話します。

なぜ早食いは食後の血糖値が上がりやすいのか?

食事をすると膵臓からインスリンが分泌され、血糖値が下がります。糖尿病の人はインスリンの分泌が遅れたり少なかったりするため、早食いだと血糖値の上がりにインスリンの分泌が間に合わず、食後の血糖値が急上昇してしまいます。さらに膵臓は急上昇した血糖値を下げるために短時間でインスリンを大量に出さなくてはいけなくなり、膵臓に負担をかけることになります。
また、インスリンがたくさん出ると脂肪がたくさんつくられるため、体に脂肪がつきやすくなります。体脂肪が多いとインスリンの効きを悪くして血糖値が上がりやすくなるという悪循環に陥ります。

ゆっくりよくかんで食べましょう!

食事をすると血糖値が上がり脳の満腹中枢が刺激されて体に満腹であることを知らせますが、満腹中枢がはたらいて脳が満腹を感じるまでには15~20分かかると言われています。満腹感を感じるまでには時間がかかりますので、早食いだと必要以上に食べすぎてしまいます。最低でも15分はかけて食事をするようにしましょう。先に野菜などの歯ごたえのあるものを食べると早食い防止になります。野菜などには食物繊維が多いため糖質の消化や吸収を遅らせ、食後血糖値の上昇を抑えて肥満の予防にもなりますよ。

※高齢者や小食の方などは、野菜を多量に食べると他の重要な栄養素(たんぱく質、炭水化物など)を食べられなくなってしまうこともあります。食べる順番については以下の記事で詳しく解説しています。

ゆっくり食べるには一口30回噛むのが理想です。しかし習慣づけるのは大変ですので、まずは下記にひとつでもチャレンジしてみてはどうでしょうか?

噛む回数を増やす工夫

  • 最初の一口だけ30回噛んでみる
  • 一口ごとに箸やスプーンを置く
  • 一口を少なくする(細い箸を使う) 

食事は毎日のことですので少し意識して、コツコツ続けていきましょう!

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このブログは澤木内科・糖尿病クリニック(大阪府高槻市)の管理栄養士が運営しています。
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