マグネシウムが糖尿病を予防する!?

マグネシウムはミネラルのひとつで、体の中に20-30g存在しています。
マッシュルーム1つ分ほどの重さしかないマグネシウムですが、体の中ではとても重要な働きをしてくれています。

マグネシウムの働き

人間の体では常に様々な化学反応が起こっています。例えば筋肉を動かしたり、体温の調整をしたり…
これらの化学反応をスムーズに行うために必要なものが“酵素”であり、マグネシウムはこの酵素をサポートする働きを担っています。
マグネシウムが関与する化学反応はなんと300種類以上。

私たちが元気に生きていくために欠かせない栄養素ですね!

そんなマグネシウムですが、実は血糖値を下げるホルモンである「インスリン」の分泌や働きにも関与しており、糖尿病発症リスクを下げる可能性があるとして注目されています。

どれくらい摂れば良い?

マグネシウムをどれくらい摂れば糖尿病の発症リスクが下げられるのかはまだ研究中ですが、日本人の食事摂取基準の推奨量を目安に摂取すると良いとされています。

日本人の食事摂取基準
男性女性
18-29歳340mg270mg
30-49歳370mg290mg
50-64歳370mg290mg
65-74歳350mg280mg
75歳以上320mg260mg

令和元年の国民健康・栄養調査によると、マグネシウムの摂取量は20歳以上の男性では257mg、女性では229mg(中央値)ですので、男女ともに不足気味。男性は100mg、女性は50mg程度のマグネシウムをプラスで摂取することが必要です。
とは言えマグネシウムをサプリメントで摂取することは勧められません。サプリメントによって過剰にマグネシウムを摂取すると、吐き気や下痢を引き起こす可能性があるからです。
※食品で摂取する場合、上限量はありません

多く含まれる食材は?

マグネシウムはほとんど全ての食品に含まれています。なかでも大豆製品や、ごまなどの種実類、あおさやひじきなどの藻類、他には玄米、ほうれん草などに多く含まれます。

マグネシウム量
木綿豆腐1/4丁(75g) 43mg 
納豆1パック(40g)40mg
いりごま大さじ1/2(4.5g)16mg
あおさ素干し小さじ1(3g)96mg
ひじき1食分(10g)64mg
玄米めし茶碗1杯(150g)74mg
ほうれん草お浸し1食分(80g)55mg

例えば…
ほうれん草の胡麻和えを1品プラスすると

白米を玄米に変え、みそ汁に木綿豆腐1/4丁を入れると

※白米150gあたりのマグネシウム量 11g

マグネシウムが多い食品を食卓にとり入れてみましょう♬

(参考)
糖尿病診療ガイドライン2019
令和元年 国民健康・栄養調査
日本人の食事摂取基準2020年版
八訂食品成分表
小山裕子・上田博子 , サービングサイズ栄養素量100第2版
厚生労働省eJIM「マグネシウム」https://www.ejim.ncgg.go.jp/pro/overseas/c03/08.html(2022.11.10) 

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